昨日は大きな音で吹いたり、高い音を出したりと、唇に負担が大きな状態で吹く時間が多くなってしまったので、クールダウンを念入りに行いました。
金管楽器の練習後にクールダウンを取り入れている学校は無いわけではないのですが、まだまだ少ないという印象です。
当教室の生徒さんも、クールダウンの話をすると「何をするんですか?」といった質問をいただくことが多いです。
スポーツの世界ではウォームアップとクールダウンは一般的に行われているようですし、スポーツをしない人でも何となくイメージはあるんじゃないかと思います。
例えば柔軟体操をしたり、サッカー選手が足を上げながら回して進む映像なんかはテレビでも目にすることがあります。
なんの競技もそうですが、日常生活と、競技では動かす部位や範囲が大きく異なります。
日常生活では身体を大きく動かさなくても生活はできるので、身体もその範囲で動ければいいぐらいになっているのですが、そのままいきなりスポーツをすると必要な動きに身体がついていかず無理をすることになったり、ケガをすることもあります。また、逆に、これからする競技の要素をもった動作を何度か繰り返してから競技をすると、スムーズに動けたりします。
そういった、「これから行う動作がスムーズに出来るように準備をすること」がウォームアップです。
トランペットの場合は、身体、呼吸や、唇、舌、指の動きが演奏したときにスムーズに動くように準備をして演奏に臨みます。
ただ、実際の演奏はいろんな動きが出てくるので、完全に理想的な吹き方で演奏し続けることは無理です。(そもそも完全に理想的な吹き方なんてものがあるのか、その吹き方ができるのかっていう話もありますが)
吹き続けていくうちに、いろんな所に歪みがでてきますし、疲労も溜まっていきます。
1日の練習、演奏が終わる頃には、ウォームアップが終わった時の状態からは大きく離れているんじゃないでしょうか。
それなのにそのまま楽器をしまってしまうと、身体はその歪んだフォームの状態を覚えてしまい、次の日の練習はその歪んだフォームからスタートです。なんだか怖い話です。
抜群の回復力と幸運で、そのまま順調に成長する人もいるとは思いますが、ある日その歪みがピークになった時に「音がでない」「思ったように口が動いてくれない」と調子を崩してしまった経験のある人も多いかと思います。1度調子が崩れると戻すのはなかなか大変な作業です。
1日の練習・演奏が終わった後は、少しでいいのでウォームアップが終わった状態を思い出してその状態をイメージしながら出しやすい音、音階などで自分のフォームを整えてから楽器をしまうと、調子が崩れにくかったり、次の日にダメージが残りにくいと思います。
今日の動作を思い出して、あちこちの歪みを整え、ほぐして明日また歪み、疲れのない状態、少ない状態でスタートできるようにするのがクールダウンなのかなと思っています。