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絶対音感と固定ドと移動ド


まだ小さい姪っ子が持っているおもちゃのピアノ。

お母さんがドレミで歌いながら弾くので、その音がなんの音か分かるようになってきているようです。絶対音感的なやつですね。

僕も、子供のころ、ピアノを習っていたので、なんとなーく音は音名で聞こえます。

ただしこの聞こえ方、人によって精密さや、聞こえる範囲に違いがあって、僕の場合は歌詞のある歌の場合は音名は聞こえなくなりますし、雑音も意識的に聞かないかぎりは雑音としか感じません。

大学時代同じ部屋だった鉄道オタクな友人は、「◯◯線の◯◯って車両は何キロから何キロに上がるにつれて◯から◯に変わっていくんだよ」てなことを話していました。

雑談のネタとして「すごいね〜」なんて話になりがちな絶対音感ですが、ことトランペットを吹く上では、ちょっと大変なこともありました。

ちょっと複雑な話なのですが、

中学校でソプラノリコーダーとアルトリコーダーを吹いた時、アルトは指は一緒だけれど出る音がちがったと思います。移調楽器とよばれる楽器は、楽器によって、「ド」の音がピアノの「ド」と違う、ずれた位置にあります。吹奏楽で広く使われているトランペットは「B♭管(ベーかん)」と呼ばれるもので、楽譜上の「ド」がピアノの「シ♭」の音程になっています。

トランペットで「ドレミファソラシド」を吹いた時、

ピアノでいうと「シ♭ドレミ♭ファソラシ♭」の音と同じ音が出ています。

タイトルにある「固定ド」と「移動ド」というのは音程の聞こえ方のことで、一般に「絶対音感」と話題に出る場合は「固定ド」と同義です。頭のなかで聞こえる音の位置(ピッチ)が固定されているので、「ド」の音は「ド」の音にしかきこえません。逆に「移動ド」の場合は固定値で聞こえるわけではなく、前後の音程の幅によって、今何の音なのかを判別しています。

「ここがドだよ」と言われたら、そこから「ドレミファソラシド」と歌うことができます。

僕は固定ドなので、「ドレミファソラシド」と書かれた楽譜を演奏しながら、

頭のなかでは「シ♭ドレミ♭ファソラシ♭」と歌っていました。

今は慣れましたが、それでもたまに楽譜と違う、固定ドの音程で歌ってしまうことがあります。

ピアノを習っていてその後、吹奏楽部で移調楽器を吹く人は、結構このことで、はじめ吹きにくさを感じる人がいるようです。

ただし、トランペットは同じ指で何種類も音を出せる楽器なので、そういう意味では、音感が無いよりも、はじめのうちは練習しやすかったのかもしれません。

逆に音大入学後は、「B♭管」「C管」「D管」「E♭管」「A管」など、指は一緒だけれど、でる音が違うトランペットを吹くこと、書いている「ドレミ」と出さなければいけない音程が違う楽譜を読む必要も多くなり、「移動ドの人はいいなぁ〜」なんて思ったりもしました。

バンドから音楽を始めた方などからは絶対音感があったらなぁという言葉を聞くこともあるのですが、トランペットに関しては、あながち良いことばかりでもないなぁと思ってしまいます。


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